価格を書かない理由(わけ)


このサイトにはお酒の値段が書いてありません。実際の店のリストにはもちろん価格はすべて表示されています。


料理店のホームページである以上、正しい情報の提供という意味ではお客様の安心のためにも値段を書くことは大切であることはよくわかっているのですが、特にお酒の値段というのはそれだけで一人歩きしてしまう可能性もある情報でもあるのです。


特にワイン、その道の通といわれる方々は値段にとても敏感です。シャトー○○○1982が○○円という情報に精通しているばかりか、そのワインの店での値付けがいくらかということで、原価率の計算からコスト・パフォーマンスの高い低いまで、ワインの根付け一つで一晩は語り明かせるのではないかというほど熱心です。


下手をすると店にお越しいただくかどうかは全く別にして、ワインの値段だけでサイトについて語られたり、店の良し悪しについて云々される可能性があるかもしれないと思うと値段をサイトに表示することには臆病になってしまいます。





先日お客様に伺った話では、ある高名な素人グルメ評論家氏が新しく出店した外国資本の高級レストランでのお話をなさっていたのだそうです。批評の格好の対象であるワインリストにはなんと200数十万円のロマネ・コンティ1989が載せられていたいました。


「89のロマコンが200数十万円といのはどう考えても高すぎる」


私達であれば、「1989でこの値段?スッゲーー!誰が注文するんだろう?」でお仕舞いなのですが、この見識高い評論家氏とご友人は、ロンドンのワイン商や日本の名高いレストランにも問い合わせて適正な小売価格、レストラン価格を調べ、件のレストランに「日本の正しいワイン事情と適正価格を教えてあげよう」と会談を申し出たのだそうです。「日本の客を舐めんなよ!」と。




サイトや2チャンネルでこの手の話題で標的にされたらどうしよう。。。気弱な私など恐ろしくて身を隠したくなります。



聞くところによると、通の間で暗黙のワイン適正価格は価格の安定しいるシャンパンの値付けで計られるらしく、ノンヴィンテージ・シャンパーニュのレストラン価格が一万円を越えるのはもってのほか、一般小売価格の1.5倍くらいでなんとか評価の対象になるのだそうです。


私ン処のボランジェ、ルイ・ロデレールの8000-9000円、ジャック・セロスの¥13000は批判の対象になるのだろうか??(恐々)あっ、田舎町の料理屋なんぞ俎上になることさえありませんよねぇ。