管牛蒡

clementia2005-09-05



手をかけて美味しい食材とざっくり料理して美味しい食材があると思います。


特にお椀などには手がかかった品物とざっくり感のある食材が一体となった時に、「いい椀物」になる要件がそろうような気がします。


写真の管牛蒡(クダゴボウ)は小指ほどの太さの小さなもの。ぬかで新牛蒡を湯がいた後、中心部分を丸く針で刺していきます。切手の切り取り線が穴の連続であるように、穴をたくさんあけていって奥まで進んでいくと次第にクルクルっと穴の点が線になり貫通します。


「牛蒡は皮の部分が美味しい」と言われますが、芯のフニャっとした部分を取り除き皮に近い部分だけを召し上がっていただく仕事です。日本料理の仕事としては定番の一つですが、お椀に使う牛蒡はこんな風にしてあげたい感じです。


で、
この管牛蒡はあくまであしらい、メインになるのは三河産の赤むつのツミレと蒸し鮑、焼き茄子と結び三つ葉も添えて今月のお椀になります。