シャンパン話その4

コーラの泡はしばらくするとなくなってしまうのに、シャンパンの泡はなんでいつまでもなくならないのでしょう。コーラは炭酸を液体の中にぶっこんでいるのに対して、シャンパンの泡は瓶の中で発酵して出来た泡だからです。


いわゆるシャンパン製法というのは、ひとつひとつの瓶の中で泡が出来上がっていなければなりません。前々回一部お話しましたが、シャンパンの製法と言うのは、まず、白ワインを造っておいて、瓶詰し、補糖して瓶の中で酵母が糖分を食べてアルコールと炭酸を発生させることで出来上がります。そのときに大量にオリができます。このオリは10cmくらいの穴がたくさん開いた板にビンを斜めに差し込んで瓶の口のほうに集めます。このとき数ヶ月にわたって瓶を1/8づつ回転させてあげるのですが、この作業は暗い地下で腰をかがめながらの重労働であったそうです(今は機械が主流です)(名人になると一日2万本をこなしたのだとか)そうやって集められたオリの部分を凍らせて抜いてしまい、少なくなった分をリキュールと少量の糖分で補ってあげてシャンパンの原型が出来上がります。大変な手間ですね。


この作業を簡単にするには一本一本の瓶で行う発酵を大きなタンクでやってしまったり、もっとお手軽ですと、白ワインに炭酸をぶっこんでしまうというやり方まであるのですが、当然泡のきめ細かさな質は得られません。ですからシャンパーニュ地方以外のスパークリング・ワインでもシャンパン製法で作ってあるとおおいばりで「このボトルはシャンパン製法で作ってあるのだ」と書いてあります。



さて、前回「シャンパンはブレンドの妙」であると書きましたが、ブレンドは各ヴィンテージのブレンドだけでなく、葡萄も品種もブレンドされています。使われるのはピノ・ノワールシャルドネピノ・ムニエ。これらの葡萄のブレンドの仕方によっても味わいは大きく変わるのです。


ブレンドの分野でも高級志向はやっぱりあって、中にはブレンドをしない単一品種で造るシャンパンもあります。「ブラン・ド・ブラン」白の中の白って意味なんでしょうか、シャルドネだけで造られたシャンパーニュをそう呼びます(シャルドネは白ワインの代名詞と言っていい品種です)ブラン・ド・ブランは切れ味があって、酸がパキーーンと鋭く、華やかなシャンパンです。(ブラン・ド・ノワールというピノ・ノワールだけで造られたシャンパンもあるのですが、かなり稀少です)造るのも難しいのだそうで、ラベルに”BLANC de BLANC”と書かれていたら「結構高級かも?」と思っていいでしょう。さらに「19○○」とヴィンテージまで書いてあれば(前回お話した)さらに高級になるわけです。


シャンパンはノンビンが通」と聞きつつも、私の場合ヴィンテージ・シャンパンに惹かれ、「ブラン・ド・ブラン」と聞けばさらに興味がわき、「ブラン・ド・ノワール」となれば「えーーー、飲んでみたい」と欲望は果てることをしりません。とはいっても、膨大な造り手と膨大なヴィンテージが存在するワインに比べると、シャンパンはまだ制覇するためのアイテムの量はまだ少ないほうです。今ならシャンパン通への道も遠くはありませんよ。で、さらに、シャンパン通ってかっこよくありませんか?(と思っているのは私だけ?)