名演その14〜パーシー・ヒース逝く

ジャズ・ベーシスト パーシー・ヒースが亡くなりました。


私が生まれる以前、すでにモダンジャズ史上に残る名グループ”M.J.Q.(モダン・ジャズ・カルテット)”を結成していて、ジャズを聞き始めた頃には歴史的名盤といわれる数々のアルバムで聴くことができたベース界の重鎮です。(1954年前後のマイルス・デイビスの数アルバムでのP.ヒースは素晴らしい)


1980年、N.Y.”ボトムライン”でのヒース・ブラザース(弟ジミー:テナー、弟アルバート:ドラムス、ピアノのスタンリー・カウェルはぶっ飛びでした)のライブの演奏は、M.J.Q.”フォーマル”に比べて”カジュアル”でファンキーなノリノリのステージでひたすら楽しい印象が今でも記憶に残っています。


録音で聴けるパーシー・ヒースではなんといっても好きなのは、M.J.Q.ラスト・コンサート


モダンジャズが到達した一つの頂点といってもいいほどの名盤です。ステディーで独特のスウィング感を創り上げたパーシー・ヒースとコニー・ケイのリズム。理知的なジョン・ルイスのピアノ。クラシックのように完璧な三人の上に、ファンキーでグルーヴィーでスウィンギーでクールなミルト・ジャクソンのバイブが躍りまくります。パーシー・ヒースの八分音部の裏の乗り(ズバズバ)はこのアルバムでは特に独特で、普通のベーシストが同じことをしたらダサダサなのに彼が弾くとかっこいい。


パーシー・ヒースに興味がなくても、折り目正しく聴けるのに、中身は熱々(変な表現ですね)のこのアルバムは「ジャズはどうも」という方にもお奨めです。