記念日

昨日は家族の記念日、外で食事をするよりは家でゆっくりと・・・・ということで、黒鶏をつかってコック・オー・バン(鳥の赤ワイン煮)にペンネのフレンチ風グランタン。そして記念の年を思い出して1985年のシャトー・ラトゥール。7-8年程前に手に入れて、あの日から20年後の2005年に飲もうとセラーに寝かせてありました。


自宅でラトゥールを開けるなどと言う贅沢はめったにありません。フレンチ・レストランに出かけても、「何か未知のワインを」と、ソムリエさんに紹介していただくことのほうが多いので、自分でラトゥールを選んだことはありませんでした。これまで飲んできた1970年代と80年代(数本のそれ以前のもの)のラトゥールはありがたいことにお客様が持ち込まれご相伴させていただいたものばかりです。「持ち込み料はグラス一杯のご相伴」と臆面もなくお願いをしている私のわがままを快く受け入れてくださるお得意様のおかげで、ラトゥールのヴィンテージをたくさん経験させていただきました。


「あれからもう二十年かぁ」と家族で語りながらヴィンテージワインを飲むのは実は初めてです。ワインを商売にしていると、「高くて売れ残っちゃうワインは自分で飲めば」と言いつつ、いいワインはちゃんとお客様が注文してくださるものですから、店のセラーから日々贅沢をする状況ではありません。いいワインは飯の種。自分で飲むよりは、「お客様に召し上がっていただいてナンボ」であるのすでが、このラトゥール1985だけは家族用に大事にしてありました。


私が作ったコック・オー・バンは100点満点中80点くらいの出来であったのですが、ラトゥールの美味しさと料理とのマリアージュの素晴らしさで、マイナス20点分を補って余りあるほど堪能できました。ラトゥールクラスのワインは貧弱な料理を十分カバーしてくれるのですね。


次の記念日は2007年に1987年を開けます。87年・・・・難しそう。