村祐

新潟県小須戸町にある「村祐」というお酒があります。この蔵の存在を知ったのはまだ半年ほど前のことです。淡麗辛口の新潟酒の範疇ではくくれない・・・・というよりもこれまでの日本酒の概念からは捉えられないお酒です。あえて例えるならリースニング種のぶどうで造られたドイツワインの酸味とコクと甘味とふくらみを備えた日本酒とでもいったらいいのでしょうか。山廃純米無濾過の純米酒を研ぎ澄ましていくとこんな表情をもったお酒が出来上がるのだろうか・・・・というのも全く素人の想像でしかありません。「固定概念にとらわれてほしくないから」と使っている米の種類も精米歩合も公表していない藏元の意思からすれば、ドイツワインに例えること自体陳腐な引用でしょう。一口で「甘い」と言う言葉で否定的に日本酒を語ってしまうような舌をお持ちの方にはお出ししたくないお酒です。新しい日本酒の扉を開こうとしている藏元ご主人の試みを大きな期待をもってみつめらる方だけにお出ししたいお酒なのです。