卵とじ

若いころのことです。「白魚の卵とじ」を煮物としてお客様にお出ししたとき、「こんな家庭でもできる料理を出すな」とお客様に言われたことがあります。「申し訳ありません」とは口では言ったものの、心の中では「この白魚とこの卵を手に入れて、この半熟状態を家庭でできるもんならやってみろ」と悪態をついていたのでした。若気の至りです。一人の言葉でももうこの献立はやるまいと思ってしまって封印したのでが、その後何年かしてランチを始めてから、白魚の玉とじ丼として復活させました。


最近この卵とじの火の入れ方がさらにほんの少し上手にできるようになってきました。ちょっとしたコツの積み重ねなのですね。甲州の地鶏卵と阿波の黒鳥、名古屋コーチン、軟白葱、地元乗松さんの米で親子丼を作ればかなりいい線をいった親子丼ができるのですが、原価計算すると税込価格は1500円以上になってしまいそうです。ランチの1500円の親子丼・・・・東京の名店「鳥つね自然洞」のランチでも限定品で確か1600円・・・・田舎町ではただの自己満足でしょうか?