味噌

つい半年ほど前、埼玉のとある味噌蔵の三年熟成味噌が入手できました。


仙台味噌系の旨味のある味噌で、30kgしか残っていないというお話でした。慌てて「全部頂戴!」といただいて使っていたのですが、とうとうなくなってしまいました。


で、
その後お客様にいただいた豆八丁系味噌。「赤味噌って苦手なんですけどこの味噌だけは飲めるんですよ。試して」というお話。


いただいてみると、これがまたよろしい。


これも蔵元に問い合わせて送っていただきました。


今までも岡崎の有名な八丁味噌を定番として使っていたのですが、定番変更です。


これだけ豆味噌の旨味と渋みのバランスがよろしいと、出汁も味噌汁用に別に仕込むようになりました。普段料理屋ではあまり多用しない煮干と昆布を丸一日水出しすると、煮干の濃厚な味が豆味噌の渋みにマッチします。上品な美味しさというよりしっかりした旨さ、という感じになるのですが、一般家庭で煮干出汁の美味しさを知らなくなったきた今、案外面白いかもしれないと思っています。


私が子供の頃には、街に「味噌屋」さんがあって各地のお味噌を売っていたのですが、今ではデパート以外でバラエティーに富んだ味噌を手に入れることはできなくなってしまっています。食材屋でも入手できるのは全国どこにでもある八丁味噌と京都の西京味噌だけです。今回のように蔵の主張が感じられるお味噌が手に入るようになると料理の幅も広がっていきそうな気がします。