魚、野菜、肉ともにできる限り産地を特定し、お酒は生産者まで知っていたい・・・・などといっておきながら、考えてみると日本人にとってとても大切な「米」は長いお付き合いの米屋さんに頼りきっていました。


農家さんをたずねて畑やハウスは見学しながら話を聞くことはあっても、稲田を見学に行ったことはありません。酒造りの工程はそれなりに理解しているつもりでも、稲作の苦労やコシヒカリササニシキ以外のお米のことはほとんど知りません。


最後に美味しいご飯を召し上がっていただくための努力は、様々な季節の炊き込みご飯や、飯炊きのためのお釜だけでなく、素材そのものをもっと見つめなおさなくてはいけないのでした。


とはいえ、米作りをしている農家さんにお付き合いのある方はいませんし、優れた生産地や生産者がどこにいるかもわかりません。一般にはお米は農家から農協、米屋でのブレンド精米を経て手に入るもので、生産者から直接というルートは料理屋の安定供給というレベルでは未だに未開発です。


先日、地元「花の舞」さんの土田杜氏、営業坪井さんとお話をしていると、蔵の鑑評会出品酒の山田錦を作っている農家さんのお話がでました。蔵では最上級の出品酒の酒米は、兵庫産山田錦ではなく、地元のある篤農家の手になるものであるのだそうです。


「地元?・・・・・是非お引き会わせください」と無理をお願いしました。


営業坪井さんのお話では、米作りをしている期間は「手を抜けないから」となかなか会ってもらえないのだそうです。それほど一生懸命の方ならなおのことお話を聞いてみたいものです。


というわけで、無理に時間を空けていただいてお会いできる算段ができました。楽しみです。