ムツ

私ン処で最も頻繁に登場するお魚が三河の赤ムツです。

焼いても蒸しても焚いても、しっとりした身質と上品な脂で、どんなヘボな板前が調理してもそれなりに美味しく召し上がっていただけます。

ムツにはもう一つ黒ムツというのもあります。こちらのほうが皆さんにはお馴染みかも知れません。

同じムツでも身質も脂の乗りも違うのですが、写真にあるようなクラスのものは黒ムツでも説得力があります。ただ調理方法はそれぞれのお魚に合うように変えてあげないと持ち味を発揮してくれないでしょうね。

以前に店の若いスタッフをつれて居酒屋さんにでかけると、「赤ムツの煮付け」という献立がありました。

「親方、赤ムツ頼んでもいいッスか？」ということで、出て来た赤ムツに若い者は目が点に。。。。

自分たちが普段仕事で触れている赤ムツとは別のお魚でありました。値段が違うのですから仕方ありません。それぞれの店にそれぞれの仕事があるのですから。

若いスタッフはそういう時初めて、日頃扱っている魚のレベルを知るのです。毎日それが当たり前でそれしか知らないというのは幸せなのか不幸なのか？どうなんでしょう？？