clementia2004-04-07



水温む頃は貝の旬です。


私の手はそこそこ大きなほうであることを想像していただければ、この蛤の大きさをイメージしていただけると思います。


福田産、遠州灘で取れた地物の蛤がこの時期少量ですが手に入ります。海辺の観光地で売られる「大浅利(おおあさり)」などのように、大きさがおおざっぱには繋がらない繊細でいながら味わいのある蛤です。


蛤をお椀に使おうと思うと、すり身をつかう真蒸(しんじょ)をすぐ想像してしまいますが、この蛤が手に入るときにはシンプルな潮汁です。


上質な利尻昆布に酒と塩で味をとるだけで海の滋味が汁の中に染み出てきます。あしらいは独活(うど)と菜の花、木の芽。


お椀の中に春の爛漫と海の豊饒が集約できればいいな・・・・と思います。