新作?


身欠鰊 海老芋あんかけ


献立だけ見れば別に目新しい気もしません。四日ほどかけていつものように焚き上げた身欠鰊に、皮をむいて蒸し上げ、裏ごしして出汁でのばして塩味であたりをとったあんをかけます。もちろん熱々です。


今年の海老芋は気候の関係か出来があまりよろしくないようで、いつも頼っているといってもいい、豊岡村の名人 新貝さんでさえ例年の大きさのものはたくさんはできていませんでした。というわけで、年末にも海老芋をメインにする献立は作らないでいたのです。


で、
海老芋といえば、棒だらとか身欠鰊と焚きあわせにすると相性がとてもよいものです。相性がいいものなら別の姿で組みあせてはどうだろう?と思って作ってみたのが「身欠鰊 海老芋あんかけ」


定番としての組み合わせを一度素材にまでさかのぼって再構築する・・・・エル・ブジ(スペインの名レストラン) フェラン・アドリア氏の手法です。


言葉にしてしまうと気恥ずかしい感じですし、出来上がった献立も「どこがアドリア?」といわれてしまいそうですが、私の気持ちの中ではアドリアなのです(やっぱり恥ずかしいけど)


斬新と思えるフェドリアの料理方法ってこういう思考法なのか・・・・と再確認する作業でした。


アドリアの場合はこれが泡になったり、冷たいものと熱いものの大胆な組あわせであったりさらに驚きがあるわけのです。しかし、基本となる定番としての組み合わせを一度素材にまでさかのぼって再構築するという考え方は、献立に新たな風を吹き込んでくれるかもしれません。


○○(板前)の考え休むに似たり・・・・にならないようにしようっと。