京都の野菜


野菜に一生懸命になるとどうしても京都には注目せざるを得ません。


土地と水、気候、なにより培われ受け継がれた伝統が作り出す京都周辺の野菜は美味しいものが多いのです。


そのブランド力のせいか、今では京都周辺で取れる野菜をすべて「京野菜」と呼んでしまう傾向があります。場合によっては少々京都から離れていても「京」と付けるだけで売れる・・・・という偽ブランドまがいの風潮さえあるのですが、京野菜、正しくは「京都の伝統野菜」と呼べるのは、京都府が定めた34種類の野菜だけを言うのだそうです。


私など「京野菜」だろうが「京都”の”野菜」だろうが美味しければありがたいわけで、お客様に説明するのに定義を間違ってはいけませんが、料理に使うのには素材そのものの力を大事にしたいと思っています。


というわけで、
こんな京都の野菜







上から順に「菊菜」 見た目は葉っぱのぎざぎざもなくて菊菜には見えないのですが、生でもバリバリ食べられるほどの柔らかさと優しい香りがある美味しい菊菜です。これを使うと、普通の菊菜が使えません。


次が「京人参」 市場に出回る京人参は京都の人参ではなくて、赤い色が濃い細めの人参の呼び名として使われているのですが、これが正真正銘の京都の京人参なのだそうです。柔らかめで味が濃い人参です。柿と毛蟹、水前寺海苔と共にナマスに使います。


最後が「はたけ菜」 京都ではお番菜(お惣菜)で「はたけ菜のたいたん」(焚いたの)で日常的に食べられるものだそうです。これも生で食べてもいける香りがある野菜です。塩漬けにしてもよさそうです。


お客様が気にも留めない添えられたような野菜にも、こういう力のある素材を使い続けたいものです。