地物ではない


食材については特に地物に固執しているわけではありません。


鮮度が命・・・・という品物は地の利がものをいうのですが、今の流通のスムースさを考えれば、遠い地のものでも収穫した翌日には届いていて全く問題がありません。


たとえば今年に入って安定的に入るようになった「京菊菜」など、葉が柔らかくてエグミが少なく生でもバリバリ食べられて、この辺で手に入る菊菜の比ではありません。


同じく美山の水菜なども地物の水菜に比べると圧倒的です。


里芋は福井県大野市上庄農協、京と近辺の聖護院蕪聖護院大根・・・・今使っている野菜の80%以上は地物ではない他の地から入荷するものです。


魚貝類も、冬の三陸の鮪、佐渡沖のの鰤、春の青森の本鱒、アンキモ、北海道の海胆、牡丹海老・・・・・


この辺では「浜名湖の魚」を売りにする店も多いのですが、私など地物でも浜名湖だけでは無理です。舞阪、福田、御前崎から入荷する遠州灘の白川(白甘鯛)、甘鯛、一味鯛、平目、鱸、鰆、鯛、三河湾のあら、赤むつ、柳鰈、様々な貝・・・・・考えてみると地物といっても100kmくらいを範囲に考えているわけです。


「まっ、おいしけりゃいいじゃん」・・・・の節操のなさが地物の範疇を超えてしまっているて、「地物のこだわり」には収まりにくいだけなのですね。