大英勇


酒棚を眺めるために酒屋さんへ出かけると、たまたま大英勇さん杜氏がいらっしゃいました。


製造部長という名刺の肩書きですが、杜氏で次期蔵元、ご子息です。


九州の「東一」で修行をなさっていたというお話はすでに聞いていて、蔵に戻られて杜氏として今期で三回目の仕込みだとか、まだ29歳の新鋭です。


鮮烈な切れ味をもつ純米大吟醸を使わせていただいたのが昨年。東一の質のよい酸を彷彿とするようなインパクトのあるお酒でした。


東一〜酔鯨〜大英勇の流れと言うのは、とかく芳香と清水のような淡麗にまとまりがちな、各蔵の最上級の大吟醸とは一線を画す個性を持っています。


お話を伺うと、20代とは思えないほどの謙虚さと礼節を持ち合わせ、そこそこの上背のある私でも見上げるよな偉丈夫です。若さとこの体力でさらにいい酒を造っていただきたいものです。


聞けば蔵には長期に熟成させた酒が残っているようです。「きっと私ン処へ分けてくださいね」としっかり唾をつけておきました。


あの鋭い個性のお酒を生のまま冷温で三年以上寝かせれば、さらに新しい境地が見えるかもしれないと密かに期待しているのです。


こういう若い力に出会うと日本酒の将来が明るく見えます。


電化製品の故障は一度にやってくる・・・・の言葉通り、洗濯機がガラガラガラという大きな音と共にピッタリ動かなくなり、カセットテープレコーダーは再生ができなくなり、TVの画面が頻繁に突然真っ黒になってしまいます。


洗濯機は部品の交換でなんとかなって、カセットテープはラジカセで我慢して(そんなに聞かないけど)はいるのですが、TVは買い換えなくてはいけないかと・・・・と思いつつ、試しにバンっと叩いてみました。すると再び映るではありませんか。いやぁぁぁ、昔は電気製品は叩けば直ったもんですが、このデジタル時代に通用するとは思いませんでした。


一応電気屋さんを巡ってみると、時代は液晶、プラズマ。


ほんのちょっと前、その画面の鮮明さにびっくりした大画面は小型自動車と同じ値段だったのが少しは安くなっていました。とはいってもホイホイ気軽に「これ頂戴」という値段ではありません。


考えてみれば壊れているTVも十何年か前に「ちょっと厳しいけどがんばって買う」とうい値段でした。今欲しいタイプも全く同じ「ちょっと厳しいけどがんばって買う」値段。うまいこと値段設定ができていますね。


「ものの値段は、買えないようにはついていないのよ」と叶姉妹言ったのだそうですが、なるほどねおっしゃるとおり至言です。