夕暮れ


針一本
床に落ちてもひびくような
夕暮がある


田村隆一の詩の最初の一節です。


若い頃、この一行でねじ伏せられ圧倒されました。たった一言でこれほどの溢れるような感性。詩の力は偉大です。


普段夕焼けを眺める時間はほとんどありません。仕事はお客様がお見えになる直前の、仕込みの最終段階ですし、西の空はビルに隠れて全く見えません。


休日のウオーキングを久しぶりに夕暮れ時に出かけると、見事な夕焼けに出会えました。遊歩道をウチの子(犬)とハイペースで歩いていても夕焼けの見事さに足を止めました。


頭にはすぐ田村隆一の「針一本・・・・」が浮かびます。私にとって夕暮れはこの言葉と共にあるのです。