今年もそろそろ

clementia2003-09-26



今年もそろそろ達磨正宗さんから酒粕をいただく季節です。


一般的に酒粕が出回るのは冬、年末から2月にかけての新酒を絞るシーズンです。出来立ての絞ったばかりの酒粕も、最近は板のように硬い板粕だけでなく、吟醸酒、しかも袋絞りにしたトロトロの吟醸香が残っているものに注目が集まっています。


ところがこの時期にいただく達磨正宗さんの粕はトロトロの柔らかさではあるのですが、新酒のものではありません。以前にサイトでタンクから粕を削り取っている作業を見ていたものですから、どんな風にお造りになるものなのかしげりさんにお伺いしてみました。(もう使い始めて三年目に入ろうというのにお恥ずかしい話です)


私ン処でいただく酒粕は、古酒になるべく冬仕込んだお酒の粕を取り出して、タンクの中に踏み固めるようにしてびっしり詰め、半年以上熟成させたものなのだそうです。絞ったばかりはクリーム色だった粕が時間を経てこんな色に変わり、旨味も増すのですね。


手間隙をかけたものが不味いわけはありません。自分のところの酒粕がその特性をきちんと発揮できるように手をかけてから世の中に出すという姿勢は、蔵の志の高さを示すものです。


そういえば、奈良漬を作るための酒粕は、一斗缶に出来立ての粕を空気が入らないほどびっしり詰めて目張りをし、冷温所に寝かせて置いたものを使うのだ・・・・と聞いたことがあります。


この酒粕を使った奈良漬なら美味しそうです。来年は挑戦してみましょう。いい瓜を探さなくっちゃ。