なるほど


二-三日前お話した和食の悪しき風習といわれた「説明のないおまかせコース」について敬愛する方からこんなお話をいただきました。

アメリカ的契約ビジネスが主流になるに従って、和食の世界を理不尽に感じる方はもっと増えていくかもしれませんね。


いまはあの手の「契約という考え方」がまだ目新しく口当たりもいいんです。
ちょっと格好よくもある。


でも、それが本当に主流になったときには、和食独特の流儀は逆に「洗練の極み」「日本の知恵」と褒め称えられるのではないかなぁと思いますよ。


うーーーーん、説得力ある。


アメリカではホットドックひとつとってもトッピングに何を乗せるか延々と説明して選択を迫られますし、どうチョイスしてもあまり変わりないステーキの焼き具合や、どっちにしても瓶詰めの出来合いのサラダドレッシングも選択しなくてはいけなくて疲れます。


国際電話で予約を入れてくださったアメリカ在住のお客様は、ロス・アンジェルスの馴染のおすし屋さんと中華料理屋さんでは必ず「おまかせ」なのだそうです。


周りのアメリカ人は「メニューにないものを何で食べられるんだ?」と羨望の目で見るのだそうです。


アメリカ人には契約も大切ですが、”あなただけの特別な”も大好きですよ」


と、これも説得力のあるお話を聞かせてくださいました。


この方は遠いところから初めてのお越しですが、サイトの掲示板上でずっとお話をさせていただいていましたので、全く一見のお客様と感じがしませんし、料理もお酒もおまかせで最初から”あなただけの特別”のつもりでした。


考えてみたら、全く存じ上げない一見のお客様には説明責任を果たさなくてはいけないのですが、裏を返してからは、常に前回の料理やお酒を確認管理している私のような店は、すべてのお客様の献立が”あなただけの”ですし、お酒も”あなただけの”ために選ばせていただいています。


今の店のあり方はまだまだ極みとはいえませんが、お客様の嗜好をおもんぱかる日本的な形ながら、案外これは世界に通用する形かもしれません。


批判を頂戴するのもお客様ですが、自分では意識しない処を指摘してくださるのお客様です。


有難や。