命名


日本酒の名前というのは蔵の名前に酒のクラス付けのランクをつけることが多いものです。


たとえば、「磯自慢吟醸」「初亀純米大吟醸」などと。


もっと詳しくなると、「菊姫山廃純米無濾過生原酒」という具合に蔵の名前の後に山卸廃止仕込み、純米、無濾過、生、原酒と作り方をそのまま表示するものもあります。


これはこれでわかり易いとはいえますが、カクテルの名前のように色気を感じさせてくれたり、お酒のイメージで表現してくれてはいません。


が、
素敵な例外もあります。


達磨正宗「ファースト・キッス」


ほのかなやさしさと甘酸っぱい味わい、新酒生酒のフレッシュさ、まさに「ファースト・キッス」は言いえて妙です。味そのものを一言で表しています。少なくとも日本酒でこういう表現を私は知りませんでした。名付け親は天才的ですね。


この年間わずか80本しか販売されないお酒のおおもとが、火入れされ、長い年月を経て偉大な古酒になっていくことを思うとさらに「ファース・キッス」という名前はさらに初々しさを増すような気がします。