グルメ・ランキング


自分の実力は全く棚に上げておいて、ひとりの食べ手として、店を評価する力はそこそこあると思っています。


調理場の苦労もサービス陣の努力も素人の方以上によくわかりますし、逆に手の抜き方、営業利益の面での店の成り立ちも理解できるほうだと思います。


料理人としての実力はさらに見えます。


ですから、板前日記上で実名をはっきり挙げて褒めちぎっている店は、私程度の人間がどうがんばってもかなわない店である言えます。


が、
実際に人気のある店というのは、あくまで一般の方々がどれだけ指示するかにかかっています。


ある雑誌で「読者が選ぶおいしい店ベスト○○」という企画を見ました。


10代〜60代のグルメな男女1000人によるアンケートであるということですので、押しなべて意見が平均化されていると思うのですが、並んでいるお店の数々のかなりのものは、私の思いとは違っています。


もちろん、「そう、その通り」という意見を同じくする店もあるのですが、「消費者はうまくくだまされているなぁ」という店も高ランクに投票されていたりします。


これだけいい仕事をまじめにしているのに閑古鳥が鳴いている店がある一方で、なんで並んでまで食べたいのかよくわからんという店が繁盛している事実は、こういうランキングを見れば納得できます。


料理店というのは、「一番えらいのは儲かっている店」という最上にして最高の条件があるとはいえ、釈然としない思いは拭い去ることができません。


お客様というのはあくまで一般の人たちであることを十分認識しつつ、生意気だと片隅で反省しながら民度が低いと嘆くべきなのか、お高くとまっていると自分を反省すべきなのか・・・・・はて。