こだわりは嫌いだ
今朝見ていたTVの銀座紹介番組、あるラーメン屋さんで「富士山の天然水使用」と。
さらに「五日かけてスープを取っています」とも。
五日間も煮こむスープに水道水ではだめなのか?
富士山の天然水を使うと誰もが吃驚するほど味が違うのか?
スープに五日間かかるというなら、でかい寸胴が五個並んでなければならないのにそれらしき大きさの調理場ではない。(五日に一回しかスープを取らないのかも?)
スープなんて時間をかければかけるだけ美味しくなるという物でもないのに。
訳のわからん、「こだわり」を強調するためのこだわりは嫌いです。
そんな時間があるなら、その豆もやしのひげを取んなさい。美味しくなります。
で、「もやしのひげを全部取ってます」ってこだわりをまた披露するのでしょうか。
お客様に美味しく食べていただくための手間を、いちいち「こだわり」と呼ぶならまじめな店はこだわりだらけで疲れちゃいます。
一言多い板前も自慢げに手間をおしゃべりしてしまうことがあります。
お客様に「こだわってるねぇ」と言われて「これくらいでやっとお足を頂戴できるくらいだと思っています」と恥じ入ってお答えします。こういう事は自慢げにおしゃべりしてはいけないのに・・・・。
知り合いの中華料理店にTVの取材の話があったそうです。
先輩のご主人が「デレクターってのがあんまり”こだわりは?””こだわりは?”って聞くもんだから、こだわりがなくちゃ料理はやっちゃいけないんですか?って断ってやった」と笑って話していました。
「こだわり」って口にする料理店のほうにこそ胡散臭さを感じるのは、力のない板前のひがみか?