相性
食材の相性と言うのはとても大事です。
今はなんといっても新筍。
岡部町、藤枝のものに限ります。
新筍といえば若芽。決り文句、これ以上はない相性です。
私達はこの時期当たり前のように、というよりそうでなくてはならないというくらいに、新筍と若芽をいっしょに使います。
海の物と山の物、絶妙の相性。
誰が考えついたんでしょう。
里で新筍の季節に海では新若芽が取れるって言う事なんでしょうが、簡単に思いつく物ではありません。
新筍に若芽、蕗そして鯛の真子(鯛の子)香りにちょっと早いけど木の芽。
完璧な取り合わせです。
何の変哲も無い炊き合わせですが、私から見れば一つの宇宙を構成するほど(かなりオーバー)出来上がった献立です。
若い方が食べれば、「なあんだ野菜の煮たやつぅ〜〜〜」とおっしゃるでしょうが、こういう一皿をしみじみ美味しいと思うようになりたいものです。
新筍をあれやこれや面白く調理する事も盛んに行われていますが、良い産地の素性のしっかりした筍はやっぱりオーソドックス食べていただきたい。
素材に頼る事しかできない技術の無い板前にはこの方法しかありません。