本醸造

掲示板でお話をしたお酒の話題を今回は日記で。


普通アル添酒、三倍増醸ブレンド酒と、戦後すぐの日本酒のお話をしてきましたが、次が本醸造


昭和も30年代以降になると経済的にも落ち着き、量から質の時代といわれるようになってきました。


で、お酒もアルコールを添加することで、増量するのは本来の姿ではないと見直す空気が出てきたのです。しかし、いきなり「純米酒を造れ」ではそれまで「アル添当たり前」の蔵がびっくりして対応できないと考えた人がいて(秋山なんとかさんだったか?)酒の量をふやすためのアル添ではなくて、いい意味でのアルコール添加を研究して、できたのが「本醸造」なのだそうです。日本的ですね。


この場合のアルコール添加はアルコールの量を抑えて添加することで、酒質を安定させ、味もすっきり、防腐の働きも期待できるというためのもので、戦前にも純米酒を造る過程で、焼酎を添加して酒質を安定させる方法があったのだそうで(今もあります)、アル添=悪とばかりはいえないのであります。


実際、心有る蔵ではアルコールの量を可能な限り少なくする努力をしているようで、酒の量をふやして儲けるという時代ではなくなっています。


確かに、言葉ばかりのいいかげんな純米酒に比べても、アル添をしてあっていい酒はたくさんありますし、私ン処のお客様でも純米酒がどうも苦手というかたもたくさんいらっしゃいます。


一般的なお話ですが、お客様で「すっきりした辛口のお酒を」と言われる方がたくさんいますが、すっきりした辛口はアル添によってこそできるお酒です。辛口信奉と純米信奉は必ずしも一致せず、「辛口=いいお酒=純米」には矛盾があります。(あくまで一般的なお話)


ここまできてやっと、純米酒とアル添酒を味の点でどちらが好みかを語れるといえるのかもしれません。この先にある、吟醸大吟醸とさらにいい酒高品質の酒が現れて日本酒も躍動の世界へ突入していくのです。


以上、普通アル添酒、三倍増醸ブレンド酒、本醸造酒についてのお話は、すべて聞きかじり、また聞き、読みかじりの知識であります。


故にきっと、どこか頓珍漢なところがあるのではないかとハラハラしております。(鵜呑みにしないでね。)


本業に携わる方、添削をお願いいたします。