四季

ヴィヴァルディの「四季」といえば、クラシック音楽の入門編。


「四季」の春はクラシックファンでなくても、聞いたことがあるであろう名曲です。が、知られすぎているがゆえに、いまさら聞いてやろうとも思わない曲のひとつになってしまっています。


名曲は名演でと思う私にとっては、四季=イ・ムジチとか、アルノンクール。


とはいっても、イ・ムジチの「四季」を通して聞いたのはいつのことだったか、思い出すことさえできません。


ところが、あまり期待していなかったWOW
WOWでエア チェックしたファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテの「四季」は驚きでした。


バッハの無伴奏チェロ組曲がカザルスによって蘇ったのと同じく、またはゴールドベルクがグールドによってそれまでとは別の曲になったのと同じく、衝撃的「四季」です。


ヴィヴァルディってよかったんだ。


躍動、熱狂、官能、誇張。


これまで思っていたヴィヴァルディとは全く逆の修辞句が次々によぎるような圧倒的な演奏でした。


こんな試みがすでに10年も前に行われていたとは、全然知りませんでした。


全員がイタリア人というこのグループのリーダー、ファビオ・ビオンディのカリスマ性はこのヴィヴァルディで一気に開花し、新しい世界の古典がリクリエイトされました。


しばらくは繰り返し聞いてみたい。


古典の落とし穴を気づかせてくれる経験です。