スペース カウボーイス

狙っていた映画「マルコヴィッチの穴」に時間の都合で行きそびれ、クリント・イーストウッドの「スペース カウボーイス」へ行ってきました。


アメリカらしい、ハリウッドらしい痛快なストーリーで、彼の「ハートブレーク リッジ」や「ルーキー」「シークレット サービス」(これは監督はしていない??)「目撃」のように、”ロートルがんばる”が配役と共に見事にツボにはまっていて気持ちがよい・・・・って自分も老年の仲間入り真近ってことでしょうか。


なによりいいのは、イーストウッドトミー・リー・ジョーンズドナルド・サザーランド、ジェームス・ガーナーみたいな配役をそろえながら、SFXもきっちり手抜きをしないでバランスよく仕上げてあることです。


イーストウッド=監督・製作・主演の作品も当たり前になってきていても、監督製作の部分は見るものには押し付けがましくなくて、イーストウッドはあくまで「無骨なヒーロー」をイメージさせているのはすばらしい。自分と自分の映画のスタンスをしっかり見つることができる映画人です。


チャーリー・パーカーを描いた「バード」以降のイーストウッドの監督作品は、いつも見るものを楽しませ、映画としても上質なものばかりです。


「バード」といえば、映画のラストシーンでシナトラ〜カウント・ベーシーの名演「フライ ミー トゥ ザ ムーン」を使ったのが普通の監督だったらあまりに紋切り型 ステレオタイプと思えるのに、「イーストウッドだったら許せるか」って感じるのはジャズファンとしての妙な共感です。


もうひとつ、映画の中で地上スタッフのボスを演じていたウイリヤム・デヴェイン、20年以上前の映画「ローリング サンダー」で、奇しくも今回主役クラスで出ているトミー・りー・ジョーンズとの共演していたのが忘れられません。


二人の俳優が別の映画で共演することなどよくあることですが、この「ローリング サンダー」はその当時頻繁に配給されたアメリカの「ヴェトナム戦争後遺症映画」の中でも、深く私の心に刻まれた映画で、デヴェインとジョーンズといえば、二人一組で覚えているほど印象的な演技でした。その二人を同じスクリーン上で見るのが、なにかとても感慨深いものでした。