養老鮑(ようろうあわび)


鮑を使った献立にはいくつかのバラエティがあります。


が、
そういう献立を駆使出来たのは、まだ鮑が比較的安かった頃のお話です。


今では、お寿司屋さんで「鮑」と、注文するにはちょっとした覚悟がいります。


と言いながら、今年は、比較的お安めに鮑を分けてもらっているものですから、今日は久しぶりに「養老鮑」にしてみました。


養老。
長寿のことです。これを食べることで長生き出来ると言う意味もあるのかもしれませんし、鮑自体長生きのシンボルと聞いたことがあります。


難しそうな名前が付いていても、要は生の活きのいい鮑の細切りに、本葛をまぶして唐揚げにする。ってこれだけです。


なにも言わないで召し上がっていただくと、おそらく鮑とは気がつかないかもしれません。見た目も細いフライドポテト。


せっかくの高価な鮑なのに、気がつかない献立でどうする、という気もするのですが、噛んでいると感じる「滋味」とでも言うような味わいはほかの食材では表現できないものです。


ストレートアヘッドな献立の中に一つこんなのがあって、懐の深さが感じられれば成功です。


ッテイウカ、いつも高価な食材を使うときには、これでもかとその存在感を主張しすぎてしまう、見栄っ張りの板前にしてはめずらしい仕事、の方が当たっています。


フライドポテト一袋分が\30000位になっちゃいますけど・・・・なんて言っちゃうのも見栄っ張り。