職人の資質
料理は美味しいことが第一義です。
一つ皿を見ただけでその作り手の力量はある程度推し量れます。
さらに、私たち職人はその一皿から、作り手の志の高ささえ肌で感じることがあります。
この地で、最も尊敬する職人の一人に、中華料理「静華」ご主人の宮本さんがいます。
最近、店を移転され、もう一段落した頃かと、先日夜のコースをいただきに伺い、今日はランチタイムでもお邪魔してきました。
夜のコースは食べに行くのは、「ウカウカしてはいられんぞ」という刺激を頂戴するためで、店を新しくしても一皿一皿の緊張感により磨きがかかっていました。
各店が、お手軽にとか、利益を求めるためにと始めるランチメニューでさえ、宮本さんの献立には前記のような志の高さが感じられます。
添え物の玉子の仕上がり、葱の切り口、ディーテイル隅々まで行き届いた一皿の完成度は、昨日今日思い立って作られるものではなく、常に自己を高めようとする意志を持続することで得られます。
同じ意志を持ちたいと願う職人は、それを舌や目、鼻、頭だけでなく感性で知ることができます。
彼が走り続ける限り、一生私など追いつけないと思います。
レベル高すぎです。