釣り人

釣りが趣味と言う方は本当にたくさんいらっしゃいます。


釣りに入れ込こむ方ほど


当然のように、お魚のこともよくご存じで、


当然のように、自分が釣ってきた魚が一番鮮度がよくておいしいと思い、


当然のように、店で買った魚など食べるに値しないと思い、


当然のように、料理屋の魚など何するものぞ・・・・


とは言わないか。
言いません。言いません。
そこまでの釣り人はほとんどいません。


が、


いさきの焼き物をお出しすると
「この前いさきを56匹釣った」


鯛のお造りをお出しすると
「今年の一番は65cmの鯛だった」


で、
いかにその魚が鮮度がよくておいしかったかを蕩々と語られます。


思い入れも含め、その日に釣った魚を召し上がるのは確かにおいしいものだと思います。


家庭レベルであれば。


ですが、料理屋では
魚の産地がどこであるか、
どれほど肥えているか、
水槽で生かしこむべきか、
魚の種類と肥え方で何時に絞めるべきか、
どういう料理法がその時期最も適しているか、
どれほどの熟成を必要とするか等々など


鮮度がいい、大きいとは違う次元で様々な要素を考慮して、下処理と調理をします。


ですから、少なくとも私ン処では、水槽で泳いでいる魚を即調理するのを売りにすることは100%ありませんし、氷の上に並べた魚をお客さまが選んで調理するということも絶対にあり得ません。


魚って奥深いんです。


それでなければ「お足」を頂戴できません。


謙虚な釣り師の方々、言い過ぎ、失礼の段、お許しを。


でも、料理屋と同じレベルで魚を扱う釣り人がいることも事実です。そうなるともう「漁」ですけど。(フォローになってないか)