食べる人

「作る人(料理する人)」としては一生自分に満足することはないと思うのですが、「食べる人」としては悪くないと思っています。


お客として料理店を利用したとき、店にとってどれだけ好ましいお客であり得るか。つまり、おいしい物を気持ちよく食べて、店側に上客として印象づけさせるか、という意味でです。


店の能力を100%引き出すには、お客側にも心構えがあった方がいいことは言うまでもありません。


毎日、お客さまと接しているのですから、良いお客さま、反面教師様々見ていて、上客になるための条件はたっぷり学習できます。


まずは、予約の時。


店にもよりますが、できれば一週間くらい前に席の予約をします。


紹介者がいれば伝え、営業時間や値段についてきちんと聞いておく。


お得意でない限り、いきなり無理を言わない。営業時間外の予約は×。絶対、値切らない。料理店で値切っていいことは全くありません。


さらに言えば、料理人が100%の力を出せる値段を選ぶ。よくわからなければ、「一番標準的なところは?」と聞いてみる。店によっては、前回いつ伺ったかをそれとなく言っておく。


予約くらい・・・とお思いでしょうが、ここで転けたら、おいしい物は食べられません。


自信の経験でも、香港の福臨門酒家に伺ったときは、予約は香港在住の友人に頼んだのですが、一ヶ月前から献立についてFAXでやりとりしましたし、前回タイユバンロブションに伺ったときはグループでしたので、予算、献立、ワインなどは2〜3週間前からmail,電話で相談しました。予算にあわせた献立を提示してくださり、ソムリエが電話をくださってワインの相談も事前にしてくださいました。


良い店というのはそういうことにきちんと対応してくださいますし、予約の時点ですでに楽しい思いをさせてくれます。


続きは明日。