試飲
ワインブームが去って、やっと以前のように、そこそこの熟成を重ねたワインが手にはいるようになってきました。
ただし、10年以上前のワインはそれまでの経緯によってその状態は様々です。
蔵元のカーブで静かに眠っていたものと、アメリカや東南アジアの倉庫に山積みされていたものでは別の飲み物になってしまっています。
そんな極端な例ばかりでなく、微妙な積み重ねだけでもそれが何年も続けば当然のように変化が大きくなるのがワインです。
最近情報が入ったムートン バロン フィリップ’82、レオビル バルトン’85、テルトル ロートブッフ’91の三本。すべてボルドーの格付けクラスのワインです。
バロン フィリップ’82、レオビル バルトン’85の試飲は自分の晩酌代わりに済ませて、試飲と言うよりは十分に楽しんでしまうほどいい状態のものでした。
テルトル ロートブッフ’91も、と言うときにお得意さまのAさんの予約をいただきました。
必ずそこそこの赤ワインを後半に飲んでいただく年季の入ったワイン通です。ご一緒にお越しいただくお友達の殆どがワイン好き。
年季の入ったといっても若い女性です。食への興味も半端なプロを遙かに上回るほどおありで、会話も洗礼されたsophisticated ladyなのです。
Aさんとそのお友達ならと「実は、試飲をするワインがあるのですがよろしければご一緒に」とお勧めしました。
栓を抜いてだめだったら「ごめんなさい」
OKなら原価を切った位のお値段を頂戴します。(軽く原価が一万円を超えています)
お得意さま、しかもワインへの愛情のある方でなければご提案できません。
結果は◎
デキャンタ後、30分でメルロ種の熟成感が現れ、グラスに広がるブーケはブルゴーニュ ワインの上級のものに匹敵します。心地よい酸味と柔らかいタンニンはポムロール「ラ コンセイヤント」のそれのように私の大好きなものでした。
これは「買い」です。
即、注文。
独身のAさんには素敵なお相手もご提案したいところですが、あれくらいの方ですから、連れてお見えにならないだけで当然いるでしょうね。