老舗は生き残れるのか?


バブル崩壊後の高級店の苦戦ぶり、老舗の店じまいの話は毎日のように聞かれます。


日本テレビ系列の「スーパーテレビ」はいつものように紋切り型の切り口ながら、東京の高級寿司店の様々な生き模様を語っていました。


築地の有名寿司店を買い取った水産会社の取り組みは、価格競争に巻き込まれずにそれまで築き上げた高級店を維持しつつ数字をあげようとするもの。


一方で価格を抑え、奇抜なアイデアと店舗展開でさらに躍進を続けようと変革する寿司店チェーン。


どちらも数店舗をもち、成績を上げるために数字に負われ、成績を残すことを最大の命題にしています。もちろん、儲かっていない店は料理店としては最低なわけで、どんな老舗であっても店舗数を誇っていても多くを語る資格はありません。


が、


TVから見えてくる寿司店の職人さんや営業部長達の姿には
「うまいなあ」
「こんなうまいものお客さんに食べてもらいたい」
「こういうのが寿司屋のあるべき姿だな」
などという美意識が見えてきませんでした。


それが、仕事だけにおぼれる職人の欠点であり、ホントのおいしさの感動を知らない営業畑のフード事業関係者の弱点なのではないでしょうか。


数字があげられる商品、職人の気持ちだけを満足させる仕事では「うまい!!」はうまれてこないのでしょうね。そんな人たちこそ老舗であることにしがみついています。


私ン処?


77年って老舗?
んなことはどうでも良いことです。
長くやってりゃいいってモンじゃありません。
「お前ン処そんな長くやってんだあ」とお客様に知られていない程度の店です。


ただ、
「うまいなあーーー!」
の感動だけはよく知っているつもりです。


というよりそれだけがよりどころです。