天才がやってき


私が国内で唯一天才と信じている料理人がいます。
小田原「ラ・ナプール」オーナーシェフ成澤由浩さん


成澤さんご夫妻が食事にわざわざ小田原から来てくださいました。


私が、成澤さんの店に行くのはなんでもないこと
新幹線で昼飯を食べるためだけに出かけるのは
あの皿に出会えると思えば「わざわざ」なんて全く思いません。


が、
天才が超凡才もとに食事に寄ってくれるのは
「わざわざ」です。


緊張しまくり
実力以上のことができないことは重々承知しながらも
つい肩に力が入ってしまいます。
こんなにプレッシャーを感じたのは何年ぶりでしょう


「日本料理のことなんにも知らないんですよ」
といいながら
素材 食材に目を光らせる姿は日本料理とかフレンチの枠を越えています。


日本酒は二左衛門をお出しすると
「こんなうまい日本酒は初めてです。
いきなり、DRCからワインを飲み始めたようなもんですね」
などと泣かせるフレーズが飛び出してきます。


松茸も鯛もしゃぶり尽くすようにめしあがっていただき、
実力以上のお褒めを頂戴して
話半分としてもほっとしました。


なんで、こんな地方の場末の料理屋に??と伺うと
「高級料亭 割烹旅館のオーナーの方もお得意さまに何人もいらっしゃるんですが
”是非家にも寄ってください”って言ってくださったのは弁いちさんだけでしたので」


どひゃーー!
言ってみるもんだ???
口は災いのもと????


「そう言ってくださったのがうれしかったです。他の方は”家へはこなくていいです”
くらいですから」と奥さま。


普通で考えると彼のすごさを知っていれば
料理屋をやっていても
(家でだすもんなんてありゃしない)って
思うのが当たり前かもしれません。


シャンパンと極上のバージンオイルをお土産にいただき
次回私が1月に黒トリュフ ジビエを食べに伺うことを約束してお帰りになりました。


天才成澤シェフに出合ったとき彼はまだ28歳でした。
で、
今30歳
この先ずっと彼の一皿を追いかけられると思うだけで幸せです。