芸術的


「芸術的ーー料理」って
私だってちょっと勘違いしてしまったお客さまにいわれることあります。
「的」だけど


つまり、勘違いしててもあくまで
「みたいなあーーー」なのです。
しかもかなり苦しいお世辞
料理は未だかつて芸術になったことはない。


芸術家とか芸術を定義することというのは難しいのですが、
天才達がわき上がる衝動を抑えきれずに発する美を表現する行動とその産物
なんてどうでしょうか?


そのものを見た一番印象的なのが
1980年のニューヨーク
近代美術館で開かれた
ピカソ展」でした。
なんで、板前がそんな処にいたのかって?
まあ、居たんです。


それまでももちろん芸術には触れる機会はあったのですが
この時ゲップが出るほどのピカソを見て
はっきりわかったのです。
これが、芸術家の芸術か!!


ピカソ?難しくてわかんない」
なんていわせない圧倒的パワーと押し迫る表現力
一枚の絵でもすごいのに何千枚と続く作品群
もちろん依頼されて描いたものも多いんでしょうが、
描かなくてはいられない衝動がなくてはなしえない絵、絵、絵
絵を描くのがすきぐらいでは足下にもたどり着けない
神様から授かった能力
それが芸術を生んでいるのでした。


この時の感動を規範にすると芸術なんて半端なところでは言えないものです。


音楽の世界でも一緒
巷にあふれる音楽 流行歌(J-POP)に
芸術的なものさえ感じられないのは私だけではないはずです。
商売上手が生き残る世界に、わき上がる衝動がある??
あればお目にかかりたいものです。


でも、芸術だけが正しいなんてお寒いことは言いません。