二度目三度目


映画「ドクトル ジバゴ」を映画館で観てきました。


三度目です。とは言っても、大画面で見るのは初めて。


もっとも好きな監督の一人、デイビット・リーン作品とはいえリアルタイムのロードショーで見たのは「インドへの道」だけ(生まれるのが遅すぎました)


24歳の時に「ライアンの娘」(1970作品ですがリバイバルで)を大画面で見てその夜眠れないほど感動し、アメリカ放浪中の26歳の時、ワシントン州の内陸部スポケーンに滞在中にシアトルで「アラビアのロレンス」を上映することを知って、バスで往復8時間かけて観に行ったのもリーン愛ゆえでした。(ヴィデオがない時代ですから名画座をめぐるしか方法がありません)


リーン作品は何度見ても発見も感動も新たに巡ってきますし、年齢を経たからそこ理解が深まること、シーンの意味が何度目かでやっと腑に落ちることも一度や二度ではありません。


今回の「ドクトル ジバゴ」もよく言われるリーン作品に通底する文明衝突だけでなく、家族の愛情、親子の愛情、男女の愛情、ロシア革命の経緯など若い時には気に留めなかった多層に重なった表現の豊かさを深く感じて感動が二倍三倍に膨らみました。



以前に映画評論で有名なライムスター宇多丸さんが「映画は二度目 三度目の方が確実に面白い」とおっしゃった言葉はこの数年特に実感するようになりました。


昔でしたら、BS放送ですでに観た映画を録画するケースは少なかったのですが、このところ、感動した映画は必ず二度目三度目を観るために録画を欠かさないようになりました。


この一ヶ月でも4回目の「プライベート・ライアン」 3回目の「ミリオンダラー・ベイビー」 2回目の「フューリー」  


全く二回目以降の方がさらに面白い!


まだ、「おとなのけんか」「シッピングニュース」「ドラゴンタトゥーの女」「マッドマックス 怒りのデスロード」が待ってます。



これって読書でも全く同様のことが言えます。


軽いミステリーでもない限り、一度目よりは二度目三度目の方が理解は確実に深まり、記憶にも刻まれます。


この先の人生の短さを考えれば、再見 再読で得られる感動をもっと深めることに重点を置くことって大事です。