シンクロの秘密


オリンピックが近づいてきて、「ああ、また日本のメディアの偏向した取材にイライラする時期がやってきた」と思ってしまいます。


オリンピックだけでなく、例えば、MLBでもイチローが何本ヒットを打ったかは再三取り上げても、マリーンズにはどんな選手がいるかさえ話題になりませんし、チームが勝敗よりもイチローの一本のヒットの方が重要になってしまいます。


シンクロナイズドスイミングでも、一般に取り上げられるのは井村コーチの言葉を荒げる厳しい指導ばかりで、それらに飽き飽きしてみる気をなくした私なんぞ、日本のペアの名前すら知りません。


さらに言えば、ずっとずっと世界最強を誇るロシアチームが何故強いのか?あれだけ長い間となれば、選手そのものの力もさることながらコーチの実力は果たして?と思うのが普通です。井村さんがどれだけ怒鳴るよりも効果的なコーチングをしている人がいるはずで、タチアナ・
ポフロクスカヤの存在を知ったのは宮嶋泰子さんの記事でした。


さらに、NHK「ミラクスボディー」で紹介された、ロシアペア イシェンコ〜ロマーシナの映像は驚異的でした。


特にイシェンコの身体能力だけでなく、内臓機能、脳機能や精神形成にまで及ぶ科学的な分析は、ロシアペア最強が揺るがない訳をぐうの音も出ないほど見せつけてくれました。


井村さんの怒鳴る姿ではなく、トップアスリートのこういう番組こそが私は見たいです。


オリンピックになれば、家族やコーチまでひっくるめた御涙頂戴でメダルを取れるかどうかで盛り上がる日本メディアよりは、世界中のトップアスリートの美しい姿とその美しさの秘密を取材し広めてもらいたいものです。