宴会の作法


所属する地元の料理組合の新年会がありました。


小さな寄り合いですが、料理屋の組合員だけでなく、酒屋 魚屋 肉屋 人材派遣会社 政治家 お役所 銀行関係など関連の方々も集まる50人ほどの会合です。


こういう宴会の時、乾杯が済んだ後私はビール お酒の飲み物を持って上座の方から挨拶に回ります。


旧知の間柄の方とはお酌をしながらそれぞれの近況を話し、初見の方とは名刺を交換して関係を築く。各方々に3−10分くらいを使って回っていると、あっという間に最初の一時間くらいは過ぎてしまいます。


その間、自分の席に戻るときには自分の飲み食いよりも、周りに座る方々とお話をすることの方が優先されます。


二時間たって、手を付けた料理はお刺身一切れ二切れくらい。


一生懸命料理を作ってくださった調理場の方々には申し訳ないのですが、宴会の作法というのは私にとってはそういうもんなのです。


会費分は飲み食いするぞ。。。ではなくて、会費分は人間関係を作ってやるぞでなくてはなりません。


宴会パーティーの類いは苦手ですという方はそれでよろしいのですが、私のようにペーペーが限りなく続く場末の料理屋にとっては宴会 パーティーは、目上年下 上下関係など捨てておいてご挨拶回りをする場です。



というようなことは父を見て学びました。


たとえば、結婚式でも、父母は席を温める時間があればお客様にお酌をして回っていました。


親族の一員であれば「本日はお忙しいところをありがとうございます」とひとりひとりご挨拶するのは当然です。「お酌」というのはそういうときの必須アイテムなのですね。


宴会 接待がなくなりつつある今、「お酌」で人間関係を円滑にする最強の手法をご存じない方が増えていくのは残念です。そこで得たきっかけが仕事に大きく結びつくのに。