カーナビ迷子

clementia2015-07-05



休日を利用して名古屋 愛知県美術館片岡球子展」へ出かけてきました。


横浜美術館奈良美智展を観に行った時に見た、常設展にあった一枚の片岡球子に強く惹かれて以来、実物をたっぷり観てみたいアーティストの一人になっていました。


実際、写真や本で見る片岡球子と実物の差は天と地の開きがあって、その迫力たるや、頭の中でフラッシュがいくつもたかれているようにバシバシ迫ってきます。


大胆にデフォルメされた部分と、緻密に書き込まれた細部の対照は琳派のそれのようでもあり、画面いっぱいに書き殴られたように迫る画面は棟方志功のようでもあります。とはいえ、誰にも例えようのない次々と変遷するオリジナリティがあるからこそ、今でも多くの人々を魅了していることは間違いありません。



さて、車で名古屋市街地に向かったのは随分と久しぶりでした。


以前にまだカーナビを装備していない頃、環状高速に迷って酷い目にあったことがあって、今回はカセットテープが未だについている中古(ちゅうぶる)自家用車にペトッと貼り付けただけのお手頃カーナビを頼りに名古屋市街地に向かったのでした。


普段、毎日の仕入れも含めてほとんど同じ道ばかりを走っている私には、大都会の複雑な高速道路の運転はゲームのようにスリリングで、音楽なんぞ聞いていてナビゲーションの指示を聞き間違えたらあらぬ方向に向かってしまって元の道に戻るのは一苦労という初老男子にはハラハラドキドキの体験です。


何しろ、以前だったら名古屋インターから中心部へ向かう幹線道路をノロノロと走っていたのに、名古屋の随分手前から「四日市方面に向かえ」と指示は出るし、南の方から中心部に向かっているらしと分かり始めてからも、「⚪️⚪️方面へ向かって次を左」とか「300M先を右」とか、地図の全体を把握して道路を頭に入れて運転することしかしてこなかったアナログ頭には、どこを走ってどこに向かっているのはわからないで指示にひたすら従うというのが不安で仕方がありませんでした。





まっ、今の時代、旅行先をネットで検索し、カーナビにひたすらお任せで目的地を目指すのが当たり前になっているのですから、地図を読み解いてルートを探すなどという前時代なドライブは無くなっていくのでしょうねぇ。


大体、大都会周辺の高速道路の複雑な表示板を一瞬で読み解く人間なんて、私に言わせれば超人。高速運転ひたすらナビに任せろという時代なんです、きっと。(今頃気づいてどうする、俺)