ドラマ三本
再びNHK大河ドラマを見るようになったのは何がきっかけだったか?「篤姫」くらいからでしょうか。
熱心に欠かさず見る年もあり、途中であきらめる年もあるのですが、今年の「花燃ゆ」がこのところ俄然いいのであります。
たまたま前回録画してあったものをヘッドフォンを通して見ると、当然のことながら音楽の使い方、音響のリアリティが微細なところまで行き届いていることをあらためて感じました。
遠くに聞こえる鳥の声、吹き渡る風の音、流れる水の音。季節 時間帯 シーンの流れに沿ってきめ細かく仕組まれていて、「ほぉぉぉ」とため息が出てしまいました。
多くの場合、我が家ではTVを大音量で聞くことは御法度で、TVドラマでも映画でも集中したいときにはひとりでヘッドフォンを使ってやっと満足が得られます。一般的にもTVドラマくらいで遠くに聞こえる雲雀の声に気づく視聴者も少数派なのでしょうが、こういうディテイルに気づくと、脚本や役者の演技、小道具の設え、カット割り、演出などなどそれぞれにやっぱり組み立てが見事であることに思い至ります。
特に脚本は、歴史ドラマであるよりは今のところホームドラマ、群像劇の要素が際立っていて、幕末の歴史をとらえるよりも、主人公「文」を軸に登場人物ひとりひとりの生活や人生がくっきりと綾をなすように絡み合っていて目が離せません。
視聴率は低調であるらしいのですが、どんなことがあっても一年は続けられるドラマなので、このままこの線の脚本で引っ張って欲しいものです。
群像劇といえば、シーズン2に入った海外ドラマ「ダウントン・アビー」も素晴らしい。
ジェームス・アイボリーの「ハワーズ・エンド」や「日の名残り」で知った英国貴族の館の人間も模様の面白さが、このドラマでさらに深まり、多層に繰り広げられる人々の人生の機微に酔いしれます。
さらに
DVDでレンタルしている「ハウス・オブ・カード」は「のめり込んでいる」といっていいほど面白い政治ドラマです。
アメリカでは映画よりも多くの予算をかけて絶頂期を迎えているらしいTVドラマ。日本でもアイドルに頼らない作り込んだドラマがたくさんできてくれるといいな。
一週間に三本ものドラマを見るなんて今まであったか?毎週が楽しみというのはいいモンです。