子羊
魚をさばき、骨から内臓まで使い切るのは日本料理の料理人としてはごく普通のことなのですが、足のある動物をさばくというのはずっと苦手でした。
羽もついた鴨、雉、コジュッケイは回数を重ねるウチになんとかクリアできるようになり、うり坊で四つ足にも挑戦できるようになったのが5-6年前、今年やっと子羊も国産(十勝)のベビーラムをいただいてさばいてみました。
手を取り足を取って教えてくれる師匠はいないのですが、回数を重ねればなんとかなるもの。ベビーラムはたった四回ですが包丁を入れているウチにコツらしきものがわかってきます。
ベビーラムにはマトン臭は皆無ですし、鞍下肉やロース以外の部位も驚くほど柔らかくて、特別な処理の必要がありません。炭火で焼いたり、昆布だしでコトコト二時間も焚けば冬瓜と炊き合わせても十分に使える肉であることがよくわかりました。
やっぱり要は食材の素性のよさに尽きるのですね。
豚肉 鶏肉 牛肉しか肉の選択肢がなかった時代から思えばなんと恵まれた環境にあることか。