プロフェッショナル


遅ればせながら、というのか、録画しておいたことを忘れていた宮崎駿さんの映画「風立ちぬ」の制作記録をドキュメントしたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」を興味深く観ました。


映画そのものにも初見でとても感動したのですが、時をおいて宮崎監督の仕事っぷりを拝見すると、巷にあふれる批判がゴミのように小さくとるにならないものであることがより鮮明になります。


比べるべくもありませんが、ひとつの道だけで「ものを造る」ことをずっと続けているという意味では共感することがあまりにも多いことに驚きます。


素人から観れば、「なんでこんな細かいことにこだわるの?」という部分で悩み抜いたり、「その選択はありえないだろう」という決定を嬉々として行ったり、net上の匿名評論家達、顔が見えたとしても訳知り顔の評論家達が餌食にする部分も、私から見ればひとつの道だけでものを造り続ける宮崎さんがそう思うなら少なくとも敬意を表してまずは冷静に観る、「あれ?」と思っても批判を口にする前によく考えてみることが筋道だと思うのです。


素人の疑問、批判程度のことなど「何年この道でご飯食べてるのか知ってんのか!」と目の前で喝破されたらシュンとうなだれてしまうに違いないのです。同じ仕事を銭もうけのためだけでなくずっと続けてきているというのはそういうことなのです。宮崎さんの場合鈴木敏夫という名プロデューサーを得て、莫大な利益も出しているのです。何しろ、日本映画の興行収入ベスト5のうち四本が宮崎映画であることを考えたら「もの造り」がりっぱに利益も生む理想的なケースがそこにあるのですから。


手仕事を匿名で批判だけしている人間の言葉など、ひたすら物を造り続け長らえている人間の前ではひとたまりもないのだ・・・とfacebookでどなたかが書いていたことを胸に、改めて「比べるべくもないのではありますが」もの造りを生業としていることの幸せをかみしめるのであります。