溜飲をさげる人々


この何ヶ月か、お座敷で「半沢直樹話」「あまちゃん話」が出ない日はないといって間違いありません。


特定のTV番組がこれほどお座敷の話題になるという経験はありません。


たまたまお客様の層がぴったり「半沢層」「あまちゃん層」と一致したと言うことでしょうか。


先日もとあるメガなお客様のお話では「銀行内半沢直樹視聴率は98%です」とか「様々デフォルメはあるけど、ああいう部長は確かにいる」とおっしゃいます。


というわけで、どんなモンだろう?と見ないわけにはいかなくなりました。


見たのは2週間前に録画しておいた第二部の最初。


いやいや驚きました。ここまで徹底的に勧善懲悪とは。まるで水戸黄門 遠山の金さんもしくはスティーブン・セガール沈黙シリーズ並ではありませんか。とはいえ、超人的な力を持つ誰かが私たちのために悪をやっつけるのではなくて、ちょっとばかり仕事が上手く運び続ければ俺も同じ立場、同じレベル・・・である普通の勤め人が悪をやっつけるのですね。サラリーマンの鬱屈の深さ、「よくやった!」というはけ口のツボのはまり方を垣間見て「お見事!」と手を打ちました。



これだけ視聴率が稼げるというのも、世の中サラリーマンで溢れているからなんでしょうねぇ。


私が子供の頃には会社勤め(サラリーマンと言われるよりも前)の方々はある種のエリート層でした。多くの庶民は農家であったり、職人であったり、工場勤めであったり、商店の丁稚 手代 番頭さんでありました。つまり背広(スーツという言葉以前の頃)を着る職業ではなくて、法被半纏 作業服を着て仕事をする人々が多かったのです。背広を着て会社で仕事をするお父さんの家庭はハイソな方々でした。


それが高度成長期を経て、丁稚手代番頭さんが新入社員(平社員)係長 課長 部長という会社組織のサラリーマンになっていったのです。組織の中のサラリーマンが世の中に溢れれば、この方々のストレスを発散させる番組が当たるのもうなずけます。


さて、グローバル化が進み、企業はさらに巨大化して次の世の中はどうなるんでしょ?