初行列


今日は身体のメインテナンスの日。


痛んできた腰を、私のゴッド・ハンドに癒やしていただこうと、朝イチで東京へ出かけました。


夜の予約のためにとんぼ返りで新幹線に飛び乗る時間がちょうどお昼時、最近充実している東京駅もしくは大丸でお弁当でも買おうか、八重洲一番街のどこかで軽く済ませようか・・・悩みつつ、一人でなければ挑戦できないラーメン・ストリート(?)にラーメン初行列の体験をしました。連れ合いは私以上に行列嫌いで、ラーメンを食べるために行列に並ぶなんてどうやって説得しても頷いてくれません。今日は一人身ゆえに、お盆休みの長い行列でもあえて「どんなもんだ?」とほとんどネタ探しのように行列に加わってみたのです。ラーメン・ストリートは超有名店が居並ぶことで有名であることも聞いてはいたのです。


行列の一番長い、私でも知っている有名つけ麺店の列に。行列の間に店の様子が見渡せるのが面白いではありませんか。厨房の作業の流れが見て取れます。


作業の流れと言ったって、ラーメンのことです。麺を茹でて、湯切りをしてスープを入れて・・・いやいや、きっと秘伝の湯切り何とかの技とか、門外不出のスープとかがあるのかも・・・と、思って見ていると、驚いたことに15−20人分くらいの麺を一気に茹で始めるではありませんか。店のキャパシティは25人。まだ新規のお客様で回転している風でもないのにもう茹でちゃうの?と思っていると、茹でた麺を一気にざるにあげ、水につけること・・・・えっ、五分ほどして水あげしました。


これで一気に盛る??かと思ったら、それから注文が入るごとに盛られていきます。時間が経つと盛る前に再び水洗いをして。。。。を4−5回繰り返します。最後に盛られたのは茹でてから30分経ってからの麺でありました。


昔の喫茶店ナポリタンみたいにたっぷり茹で上げておいて、注文が入ったら炒める、みたいな。。。いやいや待て待て、長い行列を誇る超有名店なんだから、私が普通に考える麺の茹でたてとか、コシとかいう考え方はつけ麺には通用しないのね?きっと。


これは、できればこの最後の麺がどんな食感なのか食べてみたいという私の思いはまっすぐに伝わり、行列50分後にいすに座った時に出てきたのはだいぶ前に茹でられていた麺。やっぱりコシというよりはちょっと細めのかなり固いうどんという食感です。まっ、つけ麺の新しい感性ってことなんでしょうか??


汁は濃厚で塩辛く、普通のラーメンのようにそれだけで飲むのはちょっと無理。


ちょっとだけ麺を汁に入れたり、多めに入れたりしてみても結局冷たい麺を温かい汁に入れるので生温い温度で、麺の堅さも加わって私の舌にはまったく美味しく感じられず、めったにないことなのですが残すはめに。。。


スタッフの対応がひどくなければ、どんな店でも「ごちそうさま」と笑顔で店を出ることを心がけている私のはずなのに、無言で呆然と店を後にしてしまいました。



普段から最近の都内のラーメン事情に苦言ばかり呈している私ですが、ほんとうはね、実際に行列して食べてみたら目から鱗「スマン!ラーメン! 俺反省する!!」と言ってみたかったわけですが。




これが有名つけ麺店なのか?東京駅の出店だからこんなこんなもんなのか?大量の行列をこなしつつ利益を上げなければならないからこんな仕組みなのか?今の若者の舌が要求するのがこれなのか?


長い間飲食業界に関わってきた私の舌がもう古びてボンクラゆえに理解できないのか?


ラーメン評論遊び、ランキング遊びがこのレベルで行われているとしたら、愚直な職人仕事しかできないような料理店と同じくくりで語って欲しくないなぁ(食べログなんて私の店よりも遙かに高得点なわけだし) だって行われているのはシロウトの作業なんだから。


確かに「外食産業」としては行列も含めて成功しているわけだけれど、やっぱり我々とは異次元の世界でありました。もう懲りた、行列ラーメン。