水の問題


メディアで有名なイタリアン シェフの店で、有料の水問題がnetをにぎわせていました。


今回の場合は、断り無しに有料の水を提供したこととその値段に焦点が当たっていたように見えたのですが、水有料問題は料理屋にとって悩みの種でもあります。


最近では高級イタリアン フレンチで水が有料であることは珍しいことではなくなりましたが、「水に金を取るのかよ!」という意識はお客様の頭の片隅のどこかに未だ存在するような気がします。


遡ってみれば、日本人の生活で飲料水を買うという感覚ができたのはそれほど昔のことではありません。私なんぞ未だに500mlのペットボトルの水に100円以上を払うことにまだ抵抗感があります。それなら自分でお茶を入れて飲んだ方が遙かにまし・・・と思っています。さらに言えば、水の硬度とダイエットや健康の関係とか、代謝と水分量の関係とかいうお話も、ミクロの単位で言えば正しいかもしれなくても劇的な作用があるとは信じられないでいます。


こと料理屋に関して言っても、料理屋で食事中に水を飲むということはほとんどありませんでした。日本料理店で飲むのはビールお酒のアルコールの類いか、ジュースなどのソフトドリンクしかなかったのです。私の意識の中では烏龍茶がこれほど根付くというのも予想外の出来事でした。いずれにしても、食事中にアルコールを飲む方の中でも、水で口を洗って食事やお酒の味わおう、もしくは水を多く飲むことでアルコールを早く回りにくくしようという方は格段に増えています。


その際の水は有料でいいのか?


もちろんお出しするのは水道水ではありませんから原価はそれなりにかかっています。


とんかつ屋さん カレー屋さんの水が有料であったらお客様は怒り出すかもしれませんが、ある程度の値段を取る店の、水道水でない水が有料であるのはいかがなものか?


日本料理店ではそれが有料であることにコンセンサスができあがっているとはまだ思えません。


水はお茶と同じように無料。そう、コーヒー、紅茶が有料であるのに、お茶は無料が当たり前、それなら水も同様。そんな意識がまだ日本人の頭の中にあるような気がしています。かといって高級な水を用意してプレゼンし、有料で提供する・・・それも、フレンチイタリアンでは通用しても和食では無理そうですね。


水を飲みながらの料理店での飲食という新しい形態がさらに根付いた頃また違う展開があるのかもしれませんが、それはまだ先のお話。


個人的には水をいただくなら、お茶の方がいいな。。。。ってのが私の好み。