日本車はどこへいく?


営業車以外、プライベートでは四半世紀以上日本の車を運転したことがありません。


現在乗っている車もカセットテープオーディオがついているような中古車(ヴィンテージカーではもちろんありません。古いだけのチュウブルです)なんですが、軽自動はよりも安い値段で手に入れたヨーロッパの車です。


先日弟が所有しているレクサスを運転させてもらって驚きました。黒いダイヤル式電話しか知らなかったおじさんがいきなりiphoneを持ったみたいな感じ。


車のロックを外してドアを開けるところから「えっ?どうやるの?」と始まり、サイドブレーキがないことに戸惑い、音もなく発進するエンジン音の静かさにびっくりし、アクセルを踏みこむとトルクを感じないのにスピードだけが敏速に早まることにたまげ、「なんちゃらかんちゃらモード」の切り替えに頭がこんがらがり、運転席の前のガラスに映るモニターに頭が激しく田舎モン化し、座席のクッションのほんわか感によろよろし、果ては電話で通話して目的地を知らせて先方のおねーさんがナビを設定してくれるとか言うプラチナカードばりのコンシェルジュぶりに驚愕を通り越して惨めにすらなるという始末でありました。


A地点からB地点までいかに快適 スムースに、運転することのストレスを感じないでたどり着くための高度なマシンなんですね、今の日本の車。


至れり尽くせりをどこまでも追求し、「あなたが欲しいのこれでしょ?」と優しく先取りして教えてくれているみたいなおもてなし機械。そうかぁ、ここまできてたんだ、日本車・・・といたく感心しつつも「でも、こういう機械は個人的にはいらないンだよねぇ」とひねくれ者の私は思ってしまうのです。


車の運転がうまいわけではないのですが、A地点からB地点に行くのに、じゃじゃ馬とはいわないまでも乗りこなしてたどり着く感じ、エンジンをかけたらボボボボを音がする感じ、アクセルを踏み込むとぐーーとトルクが背中に伝わる感じ、運転が快適でなめらかよりも運転が楽しいなって思える感じ、そういうフィーリングが車に欲しいんですね、私きっと。


やっぱり一生日本の車には戻らないだろうなぁ。