郷土が主役


大河ドラマ[平清盛」を見続けた流れで、「八重の桜」も続けてみています。


一年以上同じ時間のドラマを楽しみにするなんて地上波ではもう二十年近くありませんでした。


今回の「八重の桜」も、私には見応え十分です。


なにしろ今のところの主役は「会津」そのものなのです。


これがいい。


高校の修学旅行で会津を訪れたことをぼんやり覚えている程度で、日本酒蔵をいくつか知ってはいること、Nコンで合唱に素晴らしい力を発揮しているお国柄であること位しか知りませんでした。なんと言っても保科正之を知らなかったのですから、その知識のお粗末たるや推して知るべしです。とはいえ、陰謀説のように、薩長の恨みをかった会津ゆえに、維新後、名君保科正之を無視され続けてきたとか、政府の人材に登用を避けてられてきたとか・・・などとまことしやかに語られていることを知ったのも最近です。確かに幕末の歴史では、会津の存在は京都守護職としても容保の若くてひ弱そうな(私の見た目だけだったのですが)印象だけで、今回のように会津の側からの視点で幕末を見つめるとずいぶんと印象が違うものなのです。


ドラマの脚本と演出が素晴らしいこと、全員が渾身の演技なのに誰かが突出しないほどバランスがいい役者陣に見応えがあることもあって、会津気質そのものにいつしかかなり強く引き込まれている自分に気づきます。白虎隊の悲劇だけで会津をとらえることから脱却できて、今改めて会津を旅したくなります。