ファビナン・レザ・パネさん


ファビナン・レザ・パネさんというピアニストが大好きです。


パネさんがバックのピアノに座っているだけで「今日は心地いい音を聴かせてもらえる」という確信が持てる言い切っていいほどです。パネさんはバックミュージシャンであるにもかかわらず彼を選ぶミュージシャンのセンスがそのまま音全体に反映されています。


時にパネさんはほとんどピアノに触っていないのではないかと言うほど、寡黙で余分な音を弾かず。。。ただ、出てきた音は「これしかないな」と思うほどツボにはまって小さな音でも流れを引き締め全体がきれいにまとまるのです。


パネさんをバックに選ぶミュージシャンは長谷川きよしさんであり、中村義郎さんであり、大貫妙子さんであり。。。多くのヴォーカリスト達に信頼されています。


たとえば中村義郎さんの「イパネマの娘」はこんな感じ



長谷川きよしさんの「別れのサンバ」はこんな感じ。単音のソロがほぉぉんとに素晴らしい(1分40秒くらいからのピアノソロを是非)


http://www.youtube.com/watch?v=KFL4x4bPFfA



こんなバックミュージシャンとしか現れないピアニストのお話をふっても理解してくださるだけでなく、パネさんご本人も知っている方がお得意様にいらっしゃるというのがなんとも料理屋冥利につきること。「パネさんがお好きならこのCDを聴いた方がいいですよ」お薦めしてくださったのが”Sweet Radiance”


Sweet Radiance

Sweet Radiance


ピアノソロ しかも三枚組


誰がこんなニッチなアルバム買うんだろう?・・・でも、実はすでに売れ切れていて中古品で手に入れました。


これはバックにいるときのパネさんよりもアグレッシイブ、なんだけど天才的にすてきなヴォイシングがそこここにちりばめられていてゾクゾクしつつ美しさに身をよだねるような感じ。こんなアルバムがカフェに流れていたらそのセンスだけで通うな、私。