暴力の認識


アメリカでまた痛ましい事件が起こりました。


コネティカットで起こった銃乱射事件、犠牲者が子供達というのが本当にいたたまれません。


つい先日、BSで録画してあった「フランス特殊部隊GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件」を観ました。あまり強く意識せず、たまたま記憶になかった事件をドキュメンタリーを観るようなつもりでDVDのスイッチを入れると、そこに描かれたほぼ事実に基づいた映像は、「迫力満点」などという言葉ではひんしゅくものの、呆然とするほど厳しい現実を突きつけるものでした。


日本人のハイジャック〜暴力に対する対処法と、フランス人の起こした行動の差は、手法ではなくて、まずはメンタリティの違いなんでしょうね。「人質の生命が第一」とか「人命は地球より重し」と、じっくり説得工作なんてありえない現実が欧米にはあるのだというのが、この映像をみることで初めて心の奥のほうで納得できます。たとえ、人質がいたとしても、暴力を振りかざす犯人は暴力で押さえつけるのみ・・・なのです。そこは躊躇も世論を気にすることも全くありません。「暴力反対」「戦争反対」が国民に通底している日本人の目から見ると考えられない、あっという間の圧倒的な制圧を目の前にして、「あっ、この国の人たちの心を理解することは簡単ではないぞ」という思いに駆られました。アメリカ人の何度悲惨な事件が起きても銃規制に至らないという現実と同様です。単一民族の日本人だけが島国で平和に暮らしているのと世界標準とには大きな格差があるのかもしれませんね。言葉では理解していても事実を見せつけられなければ腑に落ちない現実におろおろするだけです。