二十年後はない?
「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」を大変面白く読んでいます。
- 作者: クリス・アンダーソン,関美和
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/10/23
- メディア: 単行本
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本の中で私にとっても最も説得力があるのは、現在のnet革命が産業革命以来のもっとも劇的な変化をもたらすであろうという論旨です。いやはや、すごい時代に私たちはもまれているのです。確かに実感をもって感じられる社会のあらゆる階層での劇的な変化です。
こんな小さな料理屋でさえ、変化に対応しようとあたふたドタバタとしてやっとこの平成の時代を生き残ってきたのです。「いいものさえ作っていれば必ず消費者はついてくる」などという神話さえ、昨今の大手家電メーカー聚落ぶりをみれば崩れてしまいつつあることがわかります。「いいものさえ」という言葉は私たち職人にとっては唯一のよりどころとしてきた信条であるはずなのに、「いいもの」も自分勝手な「いいもの」ではなくて、消費者のニーズをとらえた「いいもの」・・・なんてそれさえも言い古された言葉なんですもんねぇ。職人の思い込みがまねく自分勝手な「いいもの」が残っていくわけがありません。
店のリニューアルで「よりコンパクトに」「より研ぎ澄ました」「小さいからこそ満足のできる仕事を」実現しようと目論み、今のところはヨタヨタしながらも続けられてはいるのですが、果たして二十年後にこういう形態の店が世の中で受け入れられているのでしょうか?大手の外食産業だけが生き残り、個人店はどんなに仕事を集約させても衰退、なくなる運命が待っているのかもしれません。
あと十年で創業100年、私も引退したって不思議ではない年になります。十年ならなんとかなるかなぁ?100年目で「はい、お仕舞い」ってのもいさぎいいかもね。