影武者二題


名優大滝秀治さんの訃報を聞いたのが先ほど。たまたま昨日、録画しておいた黒澤作品「影武者」で大滝さんの姿を見ていました。


もちろん1980年にリアルタイムでも観ていた作品ではあるのですが、改めて映画のスケールの大きさに圧倒された昨日でした。あれほどの大量の馬使いが凄まじい映画は、ジョン・フォードとデイビット・リーンくらいしか思い浮かびません。日本映画としては・・・いえ世界でも屈指といって間違いないでしょう。


なかでも改めて驚いたのが大滝さんの馬の乗りこなしであったのです。今調べてみると当時まだ55歳。あの激しい乗りこなしもまだ理解できる年齢ではあるのですが、一般に私たちが思う大滝さんの演技には馬や剣術、古武士のイメージはありません。やっぱり並大抵の役者ではなかったんだと改めて確認したばかりであったのに、今日の訃報でした。


合掌。


影武者といえば、今読んでいるのが隆慶一郎「影武者 徳川家康


めったにこの手の時代物には手を出さないのですが、紹介してくださる方がいて読み始めると、水戸黄門的荒唐無稽が。。。。と思ったら、磯田道史先生曰く「隆慶一郎作品の文献の読み込みは半端ではありませんよ。荒唐無稽に見える筋書きも歴史文献の裏書きがあるんですから凄いです」との言葉にのってしまい、関ヶ原以降の家康は影武者であったというストーリーにのめり込んできます。


映画「影武者」もあわせて、戦国時代を面白くさかのぼる昨今です。