マイノリティ グループからの脱却の壁


アメリカからジャズミュージシャンが日本にやってくると「牛丼屋でもジャズがかかっている」とジャズの浸透度に驚くと、教えてくれたのは東洋人女性唯一の権威あるモンク・コンペティション優勝者の守屋純子女史です。


アメリカではすでにファンが激減しているのに日本は・・・というのは大間違いで、ご存じのようにjazzファンはマイノリティ、ただなんとなくお洒落でカッコイイからBGMに使われるだけなんですね。守屋さんいわく、「あのチック・コリアの名盤だってCD一万枚なんて全然売れないんですから」と。ジャズファンの人口って驚くほど少ないそうです。


現代音楽のコンサート会場へ出かけると、主だって見る顔は毎回ほぼ同じ、とおっしゃっていたのはクラシックファン サッカーファン必読の”Classica”を運営されている飯尾さん。現代音楽ファンはジャズ以上のマイノリティ グループかもしれません。


信頼している書評家の豊崎由美さんは、翻訳小説のマイノリティぶりを常日頃嘆いていらっしゃいます。コアなファンは5万人くらい(記憶がさだかでありませんが)だとおっしゃっていたような。。。そんな少数派だとは思ってもいませんでした(因みに私はこのマイノリティ グループには属しません@汗)


以前にも紹介したことがある「季刊レポ」は、 北尾トロさんが主催するライター集団の読者への超分厚い手紙。読んでも人生の役に立たないノンフィクションといいながら、その志の高さは尊敬に値します。たまたまトロファンだったというだけで定期購読を初回から始め、分厚い手紙が届けられるのをいつも楽しみにしているのですが、購読者は静岡県内になんと7人だけなんだそうな。北尾トロ えのきどいちろうというライター界のメジャーが放つ超マイナーな渾身なんであります。


こうしてみると、自分が好きなモノには他にもファンがいっぱいいるはずと思うのは大きな勘違いであることが改めて認識できます。マイノリティ グループの悦楽に浸っているわけでもなく、好きなモノは好きというだけなのですが、根っこの部分でどうやら少数派が身についてしまっているみたいです。


そんな私がやりくりする店がメジャーに躍り出るはずがありません。ブランド力をつけて、多くの方に愛される店ってのは元来が無理ってことなんですね。